観光と旅行について
観光と旅行はイコールのように捉えられがちだが、
文字が違うように、ニュアンスは違う。
どちらかというと、旅行は観光の中に入るため、
広義の意味で観光ともされる。
ただ観光というのは読んで字の如く、
光を観ると書く。
そのため、単に道中の珍しい景色、ご当地の食べ物、風情ある街並みに出逢うとき、
そこに何らかの発見、気付きがあればそれもまた観光である。
旅行は行きたい場所に行って、食べて、泊まって、温泉に使って、ゆっくり寝る、でも充分成立はしているが、
観光は旅行に能動的な意志が加わる。
それは間違っていても正しくても何でもいい。
とにかくそこで感じられたものが、
あなたにとって気付かせられる、そんな機会が創出されれば立派な観光である。
国内旅行で、私達は観光に来ました、とはあまり言わない。
なのに、海外に行くと、なぜか観光に来ました、と言ってしまう。
異国の地に辿り着いたその気持ちは、きっと新鮮で、研ぎ澄まされ、五感で何かを捉えようとするからであろう。
ただし、国内にも五感をしっかり使えば
色々な違いに気づく。
信号機、特産物、街並み、言葉、風、匂い、音...etc.
大きな違いのある海外には、刺激も大きく、魅力もたくさんあるのだろうが、
小さな違いにたくさん気付ける国内にも、我々が知るべき色んな魅力が満載だ。
電車で1時間、なんにも考えずに辿り着いた駅に降りてみよう。
1時間も移動すればそこは別世界、人も猫もいない静かなところ。
歩いてみれば腰を曲げたおばあさんが外で何かをしつらえている。
どれどれ、少し話しかけてみようかな。
そんな気分に駆り立てられる、そういう旅行もたまにはいいのでは無いだろうか。
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